広報 on HP 第13号

 

 

広報 on HP 第13号

2023年5月29日発信

日本産業保健法学会 広報委員会

 産業保健の世界では、疾病性と事例性という言葉で、問題を整理することがあります。本判決の意義をひと言でいえば、疾病性と事例性は峻別できるので、疾病が回復したら復職させるべしと明示したことです。疾病性の問題は休復職で対応し、事例性の問題は別途、教育や注意指導、懲戒で対応すべしとしたわけです。
 しかし、本判決のような割り切った処理が、現実的に可能なのかという疑問が生まれます。つまり、実務的な休復職の考え方では、疾病性と事例性は相互に関係しているから、双方が改善して、業務に耐えられるレベルになった場合に復職させるというものだからです。このように一見問題の多い本判決ですが、見方を変えると、休復職制度の悪用への警鐘を鳴らしたとも捉えられます。
 今回の「判例解説」では、本学会理事で、産業保健法学の第一人者である小島健一弁護士から、本判決の意義や問題点、産業保健職や社労士・人事労務等への示唆についてじっくりとお話を伺います

 

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