法改正の経緯:
改正前の事務所則の照度に関する規定は、1958年時点のJIS Z9110に基づいて1972年に定められたものです。その後、JIS Z9110は改正が行われ、作業内容や空間の用途に応じた推奨照度が定められています。そこで今回の改正に合わせ、照度基準を変更するともに、製図のような精密な作業については、法令で照度を示すのではなく、JIS Z9110を参照して個々の事業所で決めることが定められました。
JISとは:
日本産業規格(JIS=Japanese Industrial Standardsの略)。
日本の製品の種類・寸法や品質・性能、安全性などを定めた国家規格です。長らく「日本工業規格」と呼ばれてきましたが、法改正に伴い2019年より改称されました。
JIS Z9110とは:
照明基準総則。JISの推奨照度は、個別の作業ごとに定められ、例えば屋内作業については右表のように定められています。
今後、照度については各事業所の作業に応じてJIS Z9110を参照した上で照度を確保することが求められます。
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基本的な照明要件(屋内作業) |
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領域、作業又は活動の種類 |
ルクス |
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ごく荒い視作業、短い訪問、倉庫 |
100 |
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作業のために連続的に使用しない所 |
150 |
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荒い視作業、継続的に作業する部屋(最低) |
200 |
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やや荒い視作業 |
300 |
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普通の視作業 |
500 |
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やや精密な視作業 |
750 |
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精密な視作業 |
1000 |
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非常に精密な視作業 |
1500 |
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超精密な視作業 |
2000 |
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JIS Z9110より |
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参考:
厚生労働省「事務所衛生基準のあり方に関する検討会」
厚生労働省「事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案概要」
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