PCK UP NEW RULES Vol.1

 
№1  2022/04/28
編著:日本産業保健法学会 広報委員会

今回取り上げる法改正 ・ ガイドラインの内容
「事務所則が改正し、照度基準が変更に」
関連する法令:事務所衛生基準則

概要
2021年12月、オフィス内の衛生面などが定められた「事務所衛生基準規則(事務所則)」が、情報機器の幅広い導入などの社会状況の変化、に合わせ50年以上ぶりに改正され、照度について以下の通りに変更されました。

  現行   改正後  
 作業の区分  基準  作業の区分  基準
 精密な作業  三百ルクス以上  一般的な事務作業  三百ルクス以上
 普通の作業  百五十ルクス以上
 粗な作業  七十ルクス以上  付随的な事務作業  百五十ルクス以上
        ※精密な作業を行うときは、JIS Z9110等を参照し、対応する作業に応じてより高い照度を事業場で定める  

 

Pick Up Point “JIS Z9110”とは

今回取り上げるのは、この法改正の変更点の以下の文言についてです。
“精密な作業を行うときは、JIS Z9110等を参照し、対応する作業に応じてより高い照度を事業場で定める”

法改正の経緯
改正前の事務所則の照度に関する規定は、1958年時点のJIS Z9110に基づいて1972年に定められたものです。その後、JIS Z9110は改正が行われ、作業内容や空間の用途に応じた推奨照度が定められています。そこで今回の改正に合わせ、照度基準を変更するともに、製図のような精密な作業については、法令で照度を示すのではなく、JIS Z9110を参照して個々の事業所で決めることが定められました。

 

JISとは:
日本産業規格(JIS=Japanese Industrial Standardsの略)。
日本の製品の種類・寸法や品質・性能、安全性などを定めた国家規格です。長らく「日本工業規格」と呼ばれてきましたが、法改正に伴い2019年より改称されました。

 

JIS Z9110とは:
照明基準総則。JISの推奨照度は、個別の作業ごとに定められ、例えば屋内作業については右表のように定められています。
今後、照度については各事業所の作業に応じてJIS Z9110を参照した上で照度を確保することが求められます。

  基本的な照明要件(屋内作業)  
  領域、作業又は活動の種類 ルクス  
  ごく荒い視作業、短い訪問、倉庫 100  
  作業のために連続的に使用しない所 150  
  荒い視作業、継続的に作業する部屋(最低) 200  
  やや荒い視作業 300  
  普通の視作業 500  
  やや精密な視作業 750  
  精密な視作業 1000  
  非常に精密な視作業 1500  
  超精密な視作業 2000  
  JIS Z9110より  
 

参考:
厚生労働省「事務所衛生基準のあり方に関する検討会」
厚生労働省「事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案概要」

 

産業保健法学会広報委員会